☆★☆ぽんつかのF1名(迷)車列伝☆★☆

☆ぽんつかのF1(をはじめとする)ミニカーコレクションの紹介☆

ぽんつかの『F1名(迷)車列伝』・15

◆1990 マクラーレン・ホンダ MP4/5B

1990年は、私や私の周りの友人たちが、
本格的にF1に夢中になり始めた『俺たちのF1元年』だ。
F1を見続けて30年になる私だが、今でも一番面白かったシーズンは?
と聞かれれば、迷うことなく『1990年』と答えるであろう。
それほど、90年シーズンは面白かった。

さまざまなドラマがあったが、90年シーズンの主幹はやはりなんといっても
セナvsプロストだった。しかし、実はシーズン開幕直後はこの人も注目されていた。
オーストリア人ドライバーのゲルハルト・ベルガーだ。
今回は、前回のベネトンB197に引き続き、90年の『マクラーレンのベルガー』
に焦点を当ててご紹介したいと思う。

同郷の大先輩ニキ・ラウダ、ヘルムート・マルコに推され 、
(H.マルコは現レッドブルのアドバイザー)
84年にF1デビューしたベルガーは、86年に在籍したベネトンで初優勝を飾る。
その後は速さを認められてフェラーリ入り。御大エンツォの存命中に
『跳ね馬』に加入した最後のフェラーリドライバーとなったベルガーは、
荒削りな走りながら一発の速さに定評があり、なによりも
『記憶に残る勝利』を演出するドライバーだったのは前回述べた通りだ。
88年、セナとプロストのコンビでシーズン全勝する勢いだった無敵のマクラーレンに、
唯一フェラーリの地元モンツァで土をつけたのがこのベルガーだ。

その後、セナとの確執からマクラーレンを離れ
フェラーリへ移籍したプロストと、入れ替わりでマクラーレン入りしたベルガー。
90年開幕直後はセナ、プロスト、マンセルとともに 『四天王』と呼ばれた。
(90年アメリカGPの中継の冒頭で、解説の故今宮純さんがはっきりと述べている。)
しかし、マクラーレンでのベルガーは、セナの影で苦しんだ。
度々犯すポカにも問題はあったが、チームはあからさまにセナ寄りの体制で
チームでは完全なる『ナンバー2』としての扱いを受けてしまった。
この90年のマシンMP4/5Bはもともと、89年のマシンMP4/5の改良型。
そしてそのMP4/5はもともと、89年まで在籍していたアラン・プロストに合わせて
設計されていた。身長186cmとF1ドライバーとしては大柄なベルガーには
小柄なプロストに合わせて設計されたマシンのコクピットのサイズが合わず、
時折犯してしまうポカミスの原因の半分はここにあったことは言うまでもない。
またチーム、そしてホンダがセナを優先するあまり、
セナよりも重たいマシンで走らされたり、セナとは仕様の違うエンジンで
走らされたりと、『ナンバー2』としての扱いは90年シーズンを終えて
確定的なものとなってしまう。90年は結局未勝利に終わり、評価も落ちた。

しかし、内向的で神経質な性格で、さらに譲らない性格のため
度々無謀ともとれる走りで敵を作りこそすれ友人の少なかったセナが、
唯一大親友と認める存在であり、セナのサポート役に徹した。
90年のMP4/5Bは、セナのチャンピオンマシンだが、ベルガーにとっては
あまりいい思い出のないマシンかもしれない。しかし、この年の開幕前
スーパーライセンス発給問題でF1をドライブできなかったセナに代わって、
このマシンのテストにべったり携わったのはベルガーだ。
(セナがシーズン前のテストに一切関わらないのはいつものことで、これには
アラン・プロストも辟易していたと語る)
第5戦カナダGPではスタート時のフライングで、レースタイムに1分を加算される
ペナルティを科せられながら、スタート前に振った雨でハーフウェット状態のコースを
とんでもないペースで走り、4位入賞を勝ち取った車でもある。

MP4/5Bは、良くも悪くもベルガーらしさが出たシーズンの車だった。
それに、やっぱりベルガーにはカーナンバー『28』がよく似合う。

マクラーレン MP4/5B
 デザイナー:ニール・オートレイ
 エンジン:ホンダ RA100-E 3.5L V10(日本)
 タイヤ:グッドイヤーアメリカ)
 燃料:シェル(オランダ)
 ミッション:マクラーレン製6速MT
 ドライバー 27:アイルトン・セナ(ブラジル)
       28:ゲルハルト・ベルガーオーストリア

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