☆★☆ぽんつかのF1名(迷)車列伝☆★☆

☆ぽんつかのF1(をはじめとする)ミニカーコレクションの紹介☆

ぽんつかの『F1名(迷)車列伝』・16

◆1991 フットワーク・アロウズ・ ポルシェ FA12

これぞ、当時のF1を知る者のおそらく9割以上が失笑を禁じ得ない迷車(笑)。
伝説の『フットワーク・ポルシェFA12』であるwww

1990年、2月に急遽誕生した日本系チーム『フットワーク』。
当時はジャパンマネーが大挙してF1に参入していた時代。
1978に当時の新進気鋭のエンジニア有志で結成されたコンストラクター
アロウズ』を、日本の運送屋である『フットワーク』が買収。
『フットワーク・アロウズ』が誕生する。
それと同時に翌91年からはポルシェエンジンを使用することも発表。
F1におけるポルシェといえば、ターボ全盛期の80年代中頃、
マクラーレンとのタッグでGPを席巻したエンジンだ。
我々日本のファンのみならず、関係者の間で期待は高まっていた。

しかし!! 翌年91年の開幕前テストでその期待はため息に変わる。
まるで単純にV6を二つ繋いだだけなのではないかと思わせるほど
長くて太くて重くてバカでかいビジュアルを持つポルシェV12は、
そのビジュアルに違わず劇的に遅かった。
いかにマルチシリンダートレンド時代とはいえ、あまりのビジュアルに、
ポルシェはF1をナメているのではないか?というジャーナリストもいたほど。
※参考までに紹介すると、当時のフェラーリV12の重量が308ポンドなのに対し、
 ポルシェV12は418ポンドあったと言われている。
※ちなみにkg換算で308£=139.7Kg 418£=189.6Kg。ポルシェがいかに重たかった
 かがわかる数字だ・・・(£=ポンド)。

マシンもマシンで、アラン・ジェンキンスという変人がデザインしたこのクルマ、
今後30年のトレンドになるハイノーズを採用したは良いものの、
フロントウィングのステーを1本にしたものだから強度不足でテスト走行中に
ウィングが脱落するトラブルが続発。窮余の策としてノーズの上面から
ワイヤーを垂らしてウイングを固定するという始末。
他にも、走行中にフロアからギアボックスが脱落し、
大クラッシュを喫するなどトラブルが多発。
※アラン・ジェンキンスはその筋ではある意味有名なデザイナーww ペンスキー
 インディカーシャシーデザインに携わった経験を持ち、F1界には10年以上も
 居座ったものの、代表作を呼べるような実績をあげたマシンはなく、鈴木亜久里
 に酷評されている。そのエピソードはまた別の回でwww

おおよそ戦闘力というものを持たないこのマシンは、
シーズン序盤でポルシェと契約を破棄し、結局はフォードDFR-V8に載せ替えて
シーズンを戦いノーポイントに終わるという散々な結果に終わった。
そんな欠陥マシンを、レギュラードライバーのアレックス・カフィの代役で
ドライヴしたステファン・ヨハンソンがこのミニカーのドライバー。
スウェーデン人のヨハンソンは実力派で、85、86年には『跳ね馬』フェラーリ
ステアリングを握った程評価は高かった。しかし、この頃のフェラーリ
お約束の低迷期にあったこと、そしてそののちプロストのチームメイトとして
マクラーレンをドライブした87年が振るわず、その後は中堅以下のチームに
スポット参戦する程度のドライバーに落ち着いてしまう。
この年カフィの代役として2戦だけステアリングを握るも、第5戦カナダはリタイヤ、
第6戦メキシコは予選落ちに終わっている。

バブル真っ只中にあった日本の大口パトロン、名のあるエンジンビルダー、
実力のあるドライバーが集まったとて、決してうまくいくものではないのがF1、
そんな教訓のみを強烈に残していったマシンがコレ。
『F1とはかくも難しいもの』なのである。。。

◇フットワーク FA12 
 デザイナー:アラン・ジェンキンス
 エンジン:ポルシェ 3512 3.5L V12(ドイツ)
      ※第7戦よりフォード DFR 3.5L V8(アメリカ)
 タイヤ:グッドイヤーアメリカ)
 燃料:シェル(オランダ)
 ミッション:ヒューランド製6速MT
 ドライバー  9:ミケーレ・アルボレート(イタリア)
       10:アレックス・カフィ(イタリア)
          ステファン・ヨハンソンスウェーデン
          ※第5、6戦をドライブ

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